京都 省エネラベル協議会

温暖化防止のためにできること、始めてみませんか?

経済産業省、日本電機工業会に冷蔵庫の年間消費電力量の計測方法についての申し入れを行いました(2005.7.25)

京都省エネラベル協議会では、2005年7月25日に家電製品の省エネルギー性能の適正表示を求める消費者・環境団体・自治体有志とともに冷蔵庫の年間消費電力量の計測方法についての申し入れを経済産業省、日本電機工業会に行いました。

詳細は以下をご覧ください。

冷蔵庫の電気代表示がへん!
家庭での使用実態にあった省エネ基準を国民に公開された議論と検証の上でつくってください!

家電製品の省エネルギー性能の適正表示を求める消費者・環境団体・自治体有志

1.冷蔵庫の電気代表示は家庭の実態と乖離

財団法人日本消費者協会による400Lクラス大型冷蔵庫の商品テスト結果により、メーカーカタログに掲載されている電気代と実際の電気代との間には、製品によって約2倍〜4倍の開きがあることが判明しました(『月刊消費者』2004年7月号記事を元に電気代1kWh=22円として計算)。

カタログ値(円)実測値(円)
製品A418015356
製品B44008778
製品C396010802
製品D440015158
製品E484014608
製品F396011000

これほどの差が生じる最大の理由は、メーカーカタログに掲載されている電気代が、国が定めるJIS測定方法により測定された電気使用量に基づくものであることです(下表参照)。

(1)JIS測定方法
壁から30cm離して消費電力量を測定している
   商品テスト
壁から5cm離して測定している
(2)JIS測定方法
庫内には試験で定められた冷凍負荷を平らに積み重ねる
   商品テスト
水を入れたビール瓶など実態に即したものを庫内に入れて試験する
(3)JIS測定方法
原則として消費電力量がもっとも小さくなるよう温度調節つまみを調整
   商品テスト
つまみを中間位置で調整(工場出荷時状態)

もちろん、カタログ値の測定方法(JIS測定方法)より、商品テストの測定方法の方がより使用実態に即しています。(実際の使用時にはこれ以外に、自動霜取りなどのヒーターの稼動(冷凍室、野菜室、扉部分など)や室温・湿度・周辺に熱を発する機器があるかどうか、などによって電気代が変動します。)

さらに問題なのは、現在の冷蔵庫の省エネルギー基準が、このように使用実態からかけ離れたJIS測定方法で測定された電気使用量に基づいて設定されていることです。わたしたちは、この省ネルギー基準を製品選びの目安としていますが、実はまったく「目安」にもならない可能性が高いのです。

2.使用実態に即した基準を開かれた議論で作成すべき

現在、経済産業省総合エネルギー調査会・省エネルギー基準部会・冷蔵庫判断基準小委員会では、冷蔵庫への新たな省エネルギー基準を検討しています。この委員会はメーカー代表や学識経験者などによって構成されていますが、議事内容や提出資料については完全に非公開となっています。密室の審議会での議論では、新基準が果たして使用実態に即したものとなるのかどうか、国民にはまったくわかりません。

新基準策定の審議は、提出資料等も含めて原則完全公開し、また消費者・環境団体、省エネ製品の普及啓発に取組む自治体などから委員を複数選任して、広く国民の了解の下に進めるべきです。

またもちろん、新基準が冷蔵庫の省エネルギー性能の適切な「目安」となるよう、電気使用量の測定方法等を、使用実態を反映したものに改めるべきです。

3.わたしたちは真に省エネ性能の高い家電製品の普及を推進したいと考えています。

私たちは、地球温暖化防止ならびに資源保護の観点から、家電製品販売店等とも協力し、省エネルギー性能の高い家電製品の購入を積極的に促す活動を行ってきました。

しかしながら、上記の事態から、国の定める基準にもとづく冷凍冷蔵庫の省エネルギー性能の表示が、消費者への適正な省エネルギー情報の提供になっていないのではないかと、大きな危惧をいただいています。そこで、近々改正される予定の新たな省エネ基準において、こうした事態が改善されるよう、経済産業省および家電メーカーの業界団体である社団法人日本電機工業会に、別紙によって申し入れることとしました。

家電製品の省エネルギー性能の適正表示を求める消費者・環境団体・自治体有志

冷蔵庫等の省エネルギー基準の策定についての申入書

平成17年7月25日

経済産業大臣 中川 昭一 殿

家電製品の省エネルギー性能の適正表示を求める消費者・環境団体・自治体有志

前略 貴下益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

私たちは、地球温暖化防止並びに資源保護の観点から、家庭において使用されるエネルギー消費機器について、消費者による省エネルギー性能の高い製品の購入を積極的に促す活動を行ってきました。その際、国の定める「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)に基づく機器のエネルギー効率基準(いわゆるトップランナー基準)がメーカーの省エネ技術革新を促し、また、消費者の商品選択の際の指標として大きな役割を果たしていると認識しておりました。

しかるに、この間、冷凍冷蔵庫において、省エネルギー基準で規定されている方法(日本工業規格C9801の15.消費電力量試験に規定されている方法)により測定した年間消費電力量と家庭での実際の消費電力量とが最大4倍まで乖離するという結果が、消費者団体の行う商品テスト等により明らかとなりました。現在では、家電メーカーやメーカー団体等も、この事実を認めています。

こうした事実から、私たちは、国の定める測定方法に基づく冷凍冷蔵庫の省エネルギー性能の表示が、消費者への適正な省エネルギー情報の提供につながらないのではないかと、大きな懸念をいだいております。そこで、今年中にも改正される予定の新たな冷蔵庫等のエネルギー効率基準におきましては、こうした事態が再び繰り返されないよう、以下の点を要望いたします。

一、
エネルギー使用機器に関する省エネルギー基準の改正にあたっては、日本の気候風土ならびに使用実態に即した省エネルギー性能の測定方法と表示がなされるよう十分な配慮を行うこと。
一、
エネルギー使用機器に関する省エネルギー基準の改正にあたっては、国際標準化機構等の基準策定の考え方を踏まえつつも、日本の気候風土ならびに使用実態に即した測定方法づくりの考え方を示すこと。具体的には、日本工業規格C9801の附属書Aにおいて、日本等の独自の測定方法を明文化すること。
一、
家庭での使用実態と類似の条件下における年間消費電力量等を定期的に実測し、それが新たな基準に基づいて市場に流通する機器の年間消費電力量等と著しく異なることが判明した場合には、測定方法を改訂する等、これを直ちに是正する措置をとること。
一、
エネルギー使用機器の省エネルギー基準にかかわる審議に関する情報を公開すること。具体的には、総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会の機器ごとの判断基準小委員会を公開し、そこに提出される資料について原則公開とすること。また、複数の消費者団体ないし環境団体、地方自治体の代表を委員会のメンバーとして委嘱すること。

以上

家電製品の省エネルギー性能の適正表示を求める消費者・環境団体・自治体有志 参加団体(順不同)

冷蔵庫等の消費電力量表示についての申入書

平成17年7月25日

日本電機工業会 会長 森下 洋一 殿

家電製品の省エネルギー性能の適正表示を求める消費者・環境団体・自治体有志

前略 貴会におかれましては益々ご清栄のことと存じます。

私たちは、地球温暖化防止並びに資源保護の観点から、家庭において使用されるエネルギー消費機器について、消費者による省エネルギー性能の高い製品の購入を積極的に促す活動を行ってきました。その際、家電メーカー各社がカタログ等で公表している年間消費電力量が、消費者の商品選択の際の指標として大きな役割を果たすと認識しておりました。

しかるに、この間、冷凍冷蔵庫に関して、カタログ等で公表されている年間消費電力量と家庭での実際の消費電力量とが最大4倍まで乖離するという結果が、消費者団体の行う商品テスト等により明らかとなりました。このことは、現在では、貴会および家電メーカー各社も認めるところとなっています。

このような事態は、日本工業規格で規定されている年間消費電力量の測定方法が家庭での使用実態を反映したものになっていないことに大きな原因があるものの、家電メーカー各社が、これまで、消費者に対し適正な省エネ情報を積極的に提供しようとしてこなかったことに、より根本的な原因があると考えます。

今年中にも国が冷凍冷蔵庫等の省エネルギー基準を改正しようとしていることを鑑み、貴会に以下の点を要望いたします。

一、
貴会会員の家電メーカー各社が製造している冷蔵庫につき、家庭での使用実態と類似の条件下における年間消費電力量(実際電力消費量)等を定期的に実測し、その結果を公表すること。
一、
上記の定期実測ないしは第三者による商品テストの結果により、家電メーカー各社がカタログ等で公表している年間消費電力量と実際電力消費量とが大きく異なることが判明した場合には、これを直ちに公表するとともに、必要な是正措置をとること。
一、
エネルギー使用機器に関する省エネルギー基準の改正があった場合には、当該基準に基づく省エネルギー性能を実際に発揮するための機器の使用方法等を消費者にわかりやすく啓発すること。

以上

家電製品の省エネルギー性能の適正表示を求める消費者・環境団体・自治体有志 参加団体(順不同)

Copyright: Kyoto Ecology Label Conference; info@syoene-label.org; First Upload: 2004-07-28; Last modified: 2009-04-23.